絵が持つ意味、あるいは絵の役割には、「説得」という概念が含まれていると思う。
「想像を形にする」という観点から考えていくと、技術の問題は視点から少し外れてくる。
作者の主観だけを考えるなら、絵は本来「自分の意図が十分に表現された」と作者が思った時が、終点であるように思える。
絵において「技術」が果たす役割は、「他者に対する説得力」ではないかと思う。
他者を説得するためには、自己と他者に共通する認識や感覚を想起させる必要があり、共通性という点において、「現実」に基づく表現は高い説得力を持つ。
そして説得する相手が多いほど、高い説得力が必要なのだと思う。